I Still Love You
「ミスの大小はあれど、そんなこと今までに山ほどあったじゃない。そのたびにこんなに目の下にクマを作って、寝不足になったのみたことない」
佐奈のその言葉に、日葵は言葉に詰まる。
どうしてこれほどこのミスが自分を落ち込ませているのか……。
日葵自身わかるようで、わかりたくないそんな気持ちだった。
「昔から親同士が家族ぐるみの付き合いがある人がいるって話した?」
「ああ、同じマンションに住んでたっていう」
「そう」
そこまで言って今までの壮一との関係性をうまく説明できる気もしなかったが、日葵は言葉を続けた。
「二つ上の幼馴染がいて、その人とはずっと高校ぐらいから会ってなかったんだけど、最近会ったの」
「どこで?」
ビールに手を伸ばしながら佐奈はチラリと日葵に視線を向ける。
「清水チーフ」
「え? 清水チーフがなに?どうして急にそこに……え? 清水チーフが幼馴染ってこと?!」
驚いて声を上げた佐奈に、シーと指で合図を送る。