I Still Love You
そんな真剣な崎本に、日葵がだんだんと疑問が沸き上がる。

こんな中途半端な気持ちを持っている私が、部長のそばにいていいのだろうか?
真剣に自分と向き合ってくれていることが、今日一緒にいるだけでも痛いほど日葵には伝わった。

「あの、部長」
「ん?」
優しく微笑まれ、日葵はどう言葉にしていいか思い悩む。

「今日は誘っていただいてありがとうございました。それで。あの」
上手く言葉が見つからず、言葉を止めた日葵が何を言いたいのか、崎本は悟ったのだろう。

「清水君?長谷川をこんな風にしたの?」
その言葉に日葵は驚いて顔を上げた。

「図星か」
日葵の表情が、YESと答えてしまっていたのかもしれない。
何も言えずにいた日葵に、崎本は髪をかき上げると小さく息を吐く。

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