スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

「あぁ、動画のキャプション……説明文みたいなやつのところに、まぁ……ちょっと恨み言みたいなの書いてあったんだよ。さっき見せなくてごめん」

 見る?と桜庭くんに言われたけれど、もう一度あの動画の画面は見たくなくて首を横に振った。

「どんなこと、書いてあったの?」

「彼氏取られたとか。そんな、感じ」

 若菜がため息混じりに答えた。

「確かに、武田くんと別れたの、とわの事心配だったからってのもあったけど、さすがにそれだけじゃないよ。
 温度差とかさ、夏休み会えるかとかさ、色々あったんだよ? 喧嘩だってしたしね?
 武田くんも、私と付き合い出したのをとわが気にしてるの気付いてたけど、武田くんが気にしてたのは、どっちかって言うと桜庭くんの事の方だし。
 私ととわがちょっとギクシャクしてる上に、桜庭くんの事もあったから……
 だから、夏休み前だってあんな怒ってたんだし」

「……それは、ごめん。でも、友香のことは、とわにはもう全部説明したよ」

 そうなの? と若菜の視線に問われて頷いた。

「ちゃんと納得、できた?」

「うん。大丈夫」

 私の答えに、「なら良かった」と若菜は笑った。

「てか、うちらこんな動画流されるような事、なんかしたかな?」

 若菜が首をかしげながら言うと、桜庭くんが「んー、それね……」と口を開いた。

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