スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「さっき、書道部でも同じこと言われたんだよね。で、とわのせいじゃなくて、……俺のせいじゃないの?って」

「えぇ? 桜庭くん、そんな恨まれるようなことしたの? また武田くんに怒られるよ?」

「いや、してないつもりなんだけど。今まで特に別れるのに派手に揉めた相手もいないし」

 そんな実りのない談義をしていると、職員室のドアが開いて、チラホラと先生方が戻ってきた。

「……会議、おわったみたいだね」

 桜庭くんはチラリと視線を職員室の入口へと向ける。戻ってきた先生方はやや少なめ。恐らく担任を持っている先生は、各クラスへ向かったのだろう。

 私たちの方へ向かってきたのは、瀧先生だった。

「おはよう、瀬川。えーと、書道部には行ったかな?」

「おはようございます。行きました。動画も見たし、遠藤さんとも、ちゃんと話しました」

 やっぱり、思っていたよりも落ち着いていられる。そう思った。

「落ち着いててよかった。朝の書道部のがてんやわんやだったから心配してたけど。桜庭は……、よくあの動画で瀬川のだって分かったね」

「え? まぁ……毎日見てましたし」

 苦笑混じりで桜庭くんが答えると、瀧先生は怪訝そうに眉を寄せた。

「毎日?」

「基本帰りは一緒なんで……」

「ん?桜庭と瀬川、付き合ってるの?」

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