スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

「あ、いえ。家庭科室です。朝イチで、部活に行ったので……」

「そう。誰かに荷物を持ってきてもらえたりするかな? 今回、遠藤さんは顔が出てしまっているから、今は校内をあまり歩かない方が良いと思う。
 僕、2人を送っていく前にちょっと書道部への対応をしてくるので、少し待っててください」

 瀧先生の背中を見送って、若菜が部活の友達に電話をしているその傍らで、桜庭くんがちょっと不満げな表情を見せる。

「今日一日、堂々ととわと一緒に居れるかと思ったのに。まぁ、仕方ないよね。明日は……休むよね?」

「……うーん……その方が、良いよね」

「だと思うよ。日曜か月曜、会わない? 気分転換にどこか行こう?」

 急に振られた誘いに、返事が遅れた私を桜庭くんは、クスリと笑う。

「夜、電話するね」

 桜庭くんのいつもと変わらない緩さが、やっぱり居心地が良くて、凄く安心した。

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