スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

「友香、見つかったから。捜索願出して、見つけてもらった。今は病院に居るよ。とわに危害加えたりとか、そういう事はもう心配しなくて大丈夫だから。とわは、何も心配しないでゆっくり休んで」

 友香さんが見つかった。その言葉が、私には桜庭くんと友香さんがこれからも一緒にいるのだと言うように聞こえた。

「ごめんね、とわ。こんな事に巻き込んで、怪我までさせて……。俺、とわの事守ってあげれなかった。怖かったよね。ごめんね。本当にごめん。全部俺のせいだから。とわは何も悪くないから。何もかも全部俺が悪いから……。ごめん、ごめんね、とわ」

 何度も謝る桜庭くんに、私は「大丈夫だよ」と壊れた機械の様に繰り返した。それしか、言葉が出てこなかった。

 きっと、桜庭くんは泣いてた。

 そう思うのに……私は……混乱した自分の気持ちに整理を付けるので精一杯でなにもできなかった。

 会えない。

 桜庭くんにそう言われてしまったら、私は……どうしたらいいのか分からなくなってしまった。

< 156 / 206 >

この作品をシェア

pagetop