スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
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2日後、家に友香さんの弁護士から連絡があった。
動画の件、そして、私への傷害の件。話し合いには両親と学校で手配してくれた弁護士さんと、瀧先生が同席してくれた。
文化祭の前日、私の名前を使って若菜を呼び出して動画の前半部分を撮ったのも、夜遅くに学校で私の書を切り裂いたのも、動画を投稿したのも、全てが友香さんがやったことだと淡々と伝えられた。
私を階段から突き落とした時、友香さんは正気では無かったのだと言う。階段から落ちて意識を失った私を見て正気に返って、パニックになって逃げたのだと……。そして、友香さんを追い詰めたのは……桜庭くんだとそんな説明を受けた。
あれからずっと心療内科に入院していて、反省をしていると示談を申し込まれた。
瀧先生が桜庭くんから聞いた事情を多少は話してくれていたのかもしれないけれど、私の両親は、あの日何があったのかをきちんと聞いたのはこの時が初めてだったかもしれない。
私は示談を受け入れるにあたって、1つ条件をつけた。私の件はあくまで私と友香さんの問題なので、あくまで友香さん個人の出来事としての対応をすること。
確かに桜庭くんと友香さんの関係には少なからず問題があったし、それが原因になったことは間違いない。だけどそれは、桜庭くんを含めた友香さんの周りの人と友香さんの問題のはずだ。