スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

１０

　文化祭の後、私はしばらく学校を休んだ。

　私が学校に出た時、あの動画の事や書道部の展示の事について、私は色々な人に色んなことを、本当に好き勝手に言われていた。

「あの子でしょ？ 桜庭くんと……」

　小声で囁かれる言葉は、意外と聞こえるもので、話している本人達は聞こえていないつもりの会話も私の耳に届いてくるし、私が居るのを分かった上で大きな声で言う人も居る。

　そして、そういう話の殆どは、全く事実とは違った。

　だけど、いろんな噂に言い返す勇気は、私にはなくて……。何処まで、どんな噂が流布して行ったのか、私は知らない。

　沢山聞いた噂の中には、私は捨てられたんだとか、桜庭くんは元カノとよりを戻したんだとか、そんなのもあった。

　そんな状況なのを武田が凄く心配してくれて、いつも朝は電車を合わせてくれるようになった。とても心強い一方で、それがまた変な話を助長させてしまって、私が桜庭くんと武田と二股してたとか、そんな話がまことしやかに囁かれていた。