スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「いや、俺ら部活引退したでしょ? でも受験本腰いれるのにはテンション上がらないし、絶妙に暇だから彼女が欲しいとほざいてるのがいっぱい居るんだよね。ああいう子なら、安心して紹介できんじゃん」
……そういうこと。と納得した。でも、羽純は塾ガッツリだから、合うかなぁ……。羽純はあれでも総合成績10番以内常連の秀才なんだけど。
「若菜は?」
「んー、遠藤さんはさ、うちの部の奴らは手出せないでしょ」
「……そうなの?なんで?」
「番犬いるじゃん」
湊はくすりと笑って言ったあとに真顔に戻る。
「とわ、壊れたみたいに泣いたの?」
「……それは……えーと……まぁ。そんな日も、あったよね」
作り笑いで誤魔化して、湊から目をそらす。
あれは、年が明けたすぐの修学旅行に関する学年集会の後。湊にあからさまに避けられて、色々ショックで、ここに向かう途中で羽純に「大丈夫?」と言われたら、本当に箍が外れたかのように泣いてしまったのだ。結局、その日羽純は、泣いている私にずっと付き合ってくれた。多分、塾に遅刻したはずだ。