スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「じゃあとりあえず2kmから。迎えいくから」
やだよぅ、と不満の声を上げた私の頭は湊の手に引き寄せられて、額がコツンとぶつかった。
「夏休み入ってから時々しか会えないの不満なんですけど」
「だからって走らなくてもいいじゃん。図書館で勉強しよ?」
「とわ、夏期講習行って、さらに図書館まで行くの?」
「だって受験だよ?」
今年は受験なんだからと、親に言われて夏期講習に行かされていた。塾はあんまり好きじゃないけれど、去年の後期、成績がガタ落ちしたから拒否権がなかった。出来れば夏期講習だけで終わりにしてあとは行きたくない。
「……じゃあ、月水金日はジョギングで、火木土は図書館」
「それ、ジョギングの方が多いんですけど。しかも日月ってジョギング続くんですけど」
「四の五のうるさい口はふさいじゃうよ」
え? と聞き返すよりも早く、唇にちゅっとキスをされた。
「……ここ、そういうことする場所じゃないと思うんだけど」
「じゃあ怒られないうちに早く上行こ」
薮蛇だった。
早々に切り上げられた休憩に後ろ髪ひかれながら、だけど今度は湊と手を繋いで長い石段を登り始めた。