スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「あとこんなんも」
続いて再生されたのは、可愛い動物赤ちゃん100連発……。可愛い。すっごく可愛い。だけど、グループトークの履歴に並ぶ、可愛さに悶えるコメントの数々はサッカー部のイメージからはかけ離れていた。
「とわ ペンギンみたいだよね」
「……どこが?」
「これ 着てるシルエットとか」
これ と桜庭くんは私の割烹着の裾を摘む。
「ええぇ」
「なんで嫌そうなの。ペンギン嫌い?」
「嫌いじゃないけど……。鳥ってよく見ると目が怖いから」
もっと近くでよく見ても可愛いのがいい。と言う私を、桜庭くんは喉を鳴らして笑う。
「だって皇帝ペンギンとか私のこの辺まであるんだよ?」
私は自分の肩よりも少し上の辺りを示す。たしか、皇帝ペンギンはその位の大きさになったはずだ。絶対可愛くない。それなのに。桜庭くんは、なおも肩を震わせて笑う。
「それは、とわが小さいからペンギンが相対的にでかく見えるだけで……。せいぜい俺の鳩尾くらいのモンでしょ?」
「十分大きいでしょ? 鳥だよ?」
「赤ちゃんのうちは可愛いよ。とわも可愛いし」
私の機嫌を取るように言って、桜庭くんは私の頭に頬をすり寄せる。