スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

 背中に触れる、制服越しの体温は、昨日の桜庭くんの体温を否応なく思い出させてくる。

 桜庭くんは……、昨日家に帰って、部屋で、二人きりで友香さんと会ったのかな?

 昨日私にしてくれてたみたいに、ぎゅうって……したのかな。

 土曜日だって、桜庭くんと友香さんは朝からずっと一緒だったんだ。

『一昨日の続き』 って何したの?

 そんなにふたりで、何かしてるの?

 渦巻く思考は、底のない沼にズブズブと沈むようだ。

 沼に沈みそうな私の頭の上から、武田の声が降ってくる。

「なぁ。あいつ、瀬川にあの女のこと何て説明してんの?」

「……ただの……、ただの幼馴染み、だって」

 私が答えた後、数秒の間があって、武田が「はぁ?」と声を漏らす。

「あれで”ただの”幼馴染みって……」

 言葉を切った武田は、鼻で笑って続けた。

「無いわ」

 そうだよね。私も……アレ、”ただの”幼馴染みだなんて思えないもん。

 結局 私は、学校に着いてそのまま保健室に直行した。

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