スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
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「熱もないし、寝不足かしらね。ちゃんと夜寝るのよ?」
目を覚ましたらもう11時に近くなっていた。のそのそ起きた私に、保健医の狭山先生は、呆れたように言って、温かいお茶を淹れてくれた。
変な夢を見てたような気がする。
よく覚えていないけれど、若菜や、羽純、武田や……桜庭くんのも、色んなみんなの色々話す声が混ざって響いて、ごちゃごちゃした夢。
「月末には期末考査もあるけど、寝ないで勉強したっていい点取れないんだからね?」
「……はい」
別に勉強していた訳じゃないし、一応夜も寝たはずなんだけれど、素直に返事をする。温かいお茶を飲むと少しだけ気分がスッキリした。
教室に向かうと、教室の前に桜庭くんが居た。
「とわ。大丈夫? 朝から保健室って聞いたから」
「大丈夫」
大丈夫。大丈夫。何度も心の中で唱える。そうしないと、また底なし沼に引き込まれそうな気がした。
「あのさ、昨日のメール。あれ、一昨日、観てた映画の……」
「聞きたくない。……ごめんなさい。今、……それ、聞きたくない」
予鈴がなったので、私はそのまま、桜庭くんの言葉を待たずに教室に入った。