スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
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「なんで別れちゃったの?」
お昼休み、私と若菜は購買のパンを買って外に出た。グラウンドの反対側、体育館とテニスコートの方を望む斜面は、小高い庭のようになっている。 校舎からは遠いからあまり来ないけれど、多分桜庭くんも来ないだろうし、誰にも邪魔されずに話すにはちょうど良かった。
「うーん、理由は色々あったんだけど、2人で話して決めたの」
「そう、なんだ……」
色々、と濁されたけれど、何で? いつから微妙だったの? と頭の中を疑問符が駆け巡る。
「私ね、フラれるつもりで告ったから、付き合ったらどうなるかあんまり考えてなくて。とわに辛い思いさせちゃった」
え? と聞き返すと、若菜は眉を下げる。
「とわ、何回聞いても武田くん好きって言わないんだもん」
「……え……?」
「一緒に見てたから、何となーくそうかなぁって思ってた。 それにね、私、武田くんはとわの事好きだと思ってたの。だから、フラれるつもりで、言うだけ言ってスッキリしちゃおうかなって」
そしたら、OKだったから。と若菜は視線を落とした。