スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
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大きくて広いガラス越しに見える青空には、夏の入道雲とは違う、高いうろこ雲。
秋空が広がる9月の中旬。三連休の最終日。盛夏では無いものの、まだまだ日差しは強い。この厳しい残暑の中、朝から外で部活をしているなんて、運動部のメンバーは本当にタフだと思う。桜庭くんも熱中症になったりしないといいんだけど……。
私はバッグのサイドポケットからスマホを取り出して、昨日のメッセージを確認する。
『会いたい』
その4文字を私のスマホが受信したのが、夜の11時も過ぎて、日付が変わる直前。
桜庭くんからこんなこと言われたのは初めてだ。
ため息が漏れる。先週、私がちゃんと話をしなかったからかな……。
桜庭くんはいつも何か言いたそうだったのに、私はそれに気付かないふりをしていた。
だって、言い訳なんて聞きたくなかった。あとから言い訳するくらいなら、もういっそのこと、私に全く気づかれないようにしていて欲しい。
そしたら、こんなに虚しくないのに。
好きだよって言ってくれる桜庭くんの事を、ただ信じていられたのに。
でも、……桜庭くんっぽくない、たった4文字のメッセージが気になった。