スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

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 サクサクと砂を踏む音と、打ち寄せる波の音。傾いた日が、空も海も、その光の届く場所全てをオレンジ色に染め上げている。

 遠出と言って、桜庭くんが私を連れてきたのは、電車で1時間半程の海辺だった。

「海、すごく久しぶり」

 砂浜の上を歩くと、少し足が沈みこんで、サンダルの中に砂が入ってくる。海に来るのは……多分小学生の頃以来だ。

「とわ 海にも来ないで 夏休み何してたの?」

「んー、図書館行ったりかな……。私、そんなに出かけないから……。桜庭くんは、海 好き?」

 桜庭くんは海とか山とか好きそう。それを肯定するように「好きだよ」と返事が返ってきたけれど、その後、「だけど……」と低い声が続いた。

「ここには、凹んだ時に来るかな」

 少し寂しそうに笑った桜庭くんは砂浜に座って、私も桜庭くんに促されるままその隣に座った。

「判ってるよ。普通の幼馴染みとちょっと違うの、流石に俺も判ってる。でも……」

 でも……?

 言葉を切った桜庭くんは、ため息をついて海を見る。

「とわ、肩貸して」

 私の返事を待たずに、桜庭くんの頭が私の左肩に乗っかって、桜庭くんの少し固い髪の毛先が私の頬をチクチクと擽る。

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