クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「それらの書物は私の今は亡き恩師から受け継いだものだ。大切に扱えよ」

「そんな大事なもの……いいんですか?」

「よくなかったら持ってこない」

ジークは曲げた片膝の上に肘を置き、ふっと笑った。

(この本を全部理解すれば、今私に必要な知識が身につくのかしら……?)

一ページでも読解するのに時間がかかりそうだったが、自分のためになるならば泣きごとなど言っていられない。

「その本に書かれていることは薬学の基本中の基本だ。まずは内容を全部理解しろ。次はそれからだ」

「はい。わかりました」
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