クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
(せっかく教えてくれているというのに、しっかりしなきゃ!)

今は指輪のことを考えている場合ではない。気分を返して「もう教えてやらない」なんて言われたら元も子もない。アンナはちゃんと話を聞いていると意思表示すると、ジークの説明が続いた。

(それにしても、まるでサルベール講堂で講義を受けているような気分だわ)

ジーク説明はわかりやすく的確だった。だからアンナも夢中でジークの話を聞いていられた。

「ジーク様、薬学って知れば知るほど面白い学問ですね」

今まで知らなかったことが、自分の知識として吸収される喜びにアンナは胸が躍った。
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