クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
そう言われてみればそうかもしれない。女性へ贈るためなら普通は綺麗に茎の部分を適当に切るはずだ。土のついた根っこ付きの花を渡されても女性は嫌な気がするだけだろう。
「リマキュラへ花を贈った男は貧乏な庶民だった。が、リマキュラは金持ちの貴族に求婚され、邪魔になった男をあらかじめ持っていた根の毒で男を殺した。というのが本来の真相ではないかという私の憶測だ」
リマキュラの毒は有名だが、大半は花弁に毒があると思っているだろう。実際アンナもジークに教えられるまではそうだった。
「切ない恋物語だと思ってたのに……」
がっかりしているアンナを、ジークは横目で見て小さく笑う。
「あくまでも私の憶測だからな、そう気を落とすな。これは人を簡単に信用するなという自分への教訓みたいなものだ」
人を信じて辛い思いをしたことがあるのだろうか、と一瞬見せたジークの陰りにアンナは何も尋ねることができなかった――。
「リマキュラへ花を贈った男は貧乏な庶民だった。が、リマキュラは金持ちの貴族に求婚され、邪魔になった男をあらかじめ持っていた根の毒で男を殺した。というのが本来の真相ではないかという私の憶測だ」
リマキュラの毒は有名だが、大半は花弁に毒があると思っているだろう。実際アンナもジークに教えられるまではそうだった。
「切ない恋物語だと思ってたのに……」
がっかりしているアンナを、ジークは横目で見て小さく笑う。
「あくまでも私の憶測だからな、そう気を落とすな。これは人を簡単に信用するなという自分への教訓みたいなものだ」
人を信じて辛い思いをしたことがあるのだろうか、と一瞬見せたジークの陰りにアンナは何も尋ねることができなかった――。