クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
アンナの気配に気づいた少年が振り向いた。陽の光に美しく輝く金の髪に、向けられた蒼玉のような瞳と視線が合い、アンナは息を呑んだ。気づかれてしまったと思い、アンナはドアも閉めずにすぐさまその場から逃げだした。
――あの人は誰なの?
屋敷には家族である父のほかに侍従たちが数十人いるが、彼が屋敷に仕えている者ではないことは雰囲気でわかったし、知らない顔だった。けれど、男性であるのに陶器のような白い肌はまるで病に伏しているようにも見えた。
――きっとご病気なんだわ。
それからというもの、アンナは名も知らない少年の部屋を訪れては彼が寝ている合間を見計らってそっと花瓶に庭で摘んできた花を飾るようになった。
――今日もぐっすり寝ているわね。
――あの人は誰なの?
屋敷には家族である父のほかに侍従たちが数十人いるが、彼が屋敷に仕えている者ではないことは雰囲気でわかったし、知らない顔だった。けれど、男性であるのに陶器のような白い肌はまるで病に伏しているようにも見えた。
――きっとご病気なんだわ。
それからというもの、アンナは名も知らない少年の部屋を訪れては彼が寝ている合間を見計らってそっと花瓶に庭で摘んできた花を飾るようになった。
――今日もぐっすり寝ているわね。