クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
思い切って尋ねると、ソフィアはアンナに向き直り驚いて目を丸くした。

「あなた、誰から聞いたの? 言いなさい」

まるで尋問するような口調に思わず怯みそうになってしまう。美人がすごむとなぜか迫力がある。

「ジーク様ご本人からです」

なぜ、国王の内情をいち使用人が知っているのかと、ソフィアの目がみるみるうちに不審なものに変わる。

「あの、私がジーク様の傍にいると惑わされるというのは、いったいどういうことでしょうか?」

アンナもソフィアの厳しい視線に負けじと見つめ返す。ソフィアは唇を噛み、その表情から怒りさえ感じた。理由もわからないまま、怒りを向けられると居心地が悪くて仕方がない。

「あなたは本当に何も知らないのね。ずっと、ずっとあなたがジークの枷になっているということを……。知らないのなら、今すぐマーランダ施療院の地下に行って確かめて来ればいいわ」

「マーランダ施療院の地下?」
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