クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
この男はいつもそうだ。茶化して真面目な話なんか通用しない。いかに自分が幼稚であるか改心すれば、相手にしないこともないのに。とソフィアはつんと顔を逸らした。

「けど、いいのかな? 彼女がマーランダ施療院に行ったら、ますます兄上に熱をあげることになるよ? 本当のことを知ってね」

レオンに思わぬことを言われてハッとなる。

(そうだわ……。はぁ、まったく、馬鹿なことを言ったわ)

後悔先に立たず。ソフィアは重くため息づいて額を手で押さえた。

「あの子、確か十八って言ってたけど……君より五つも年下じゃないか。もっとお姉様らしく優しくしてやったら?」

追い打ちをかけるようにレオンに言われ、年下にムキになってしまった。とますます後悔の念に押しつぶされそうになる。

「ソフィアには僕がいるよ。ね?」

そっと肩に触れられると、ソフィアは我に返ってレオンの手を振り払った。
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