クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
地下へ続く扉を開け階段を下りる。石造りの壁や廊下は地下だからか冷え切っていて、空気も冷たい。先へ行くと、貧しい人々が薬や治療を求めて列をなしているのが見えてきた。子どもの鳴き声や痛みに呻く声、その異様な光景にアンナは言葉を失った。ここに並んでいる全員が毎日食べるものにも難をなしている貧困層の人々だ。自分も上等な身なりではないが、ここにいるとひと際浮いているように思えた。そのとき。
「なんだあんた、そんな綺麗な服着て、貧困層のやつじゃねぇな。ここはあんたみたいな金に余裕のある人間が来るようなところじゃないぜ」
最後尾にいた中年の男の後ろにつくと、ぼりぼりと首を掻きながらじろりとその男がアンナを見て言った。何日も湯浴みをしていないのか、男から漂う異臭が鼻をつく。
「なんだあんた、そんな綺麗な服着て、貧困層のやつじゃねぇな。ここはあんたみたいな金に余裕のある人間が来るようなところじゃないぜ」
最後尾にいた中年の男の後ろにつくと、ぼりぼりと首を掻きながらじろりとその男がアンナを見て言った。何日も湯浴みをしていないのか、男から漂う異臭が鼻をつく。