クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「すみません。急ぎだったもので……」
「怪我人か」
アンナの火傷に気がついた男は機嫌が悪そうにふんと鼻を鳴らした。体調が悪いのにじっと順番を待つことしかできないことに苛立っていたのだろう。しばらくすると冷静になった男がアンナに再び声をかけてきた。
「……すまねぇな、きついこと言っちまって。どうも今夜は身体の調子が悪くてさ、シュピーネさんの救いが欲しいのは、なにも貧乏人だけじゃないもんな。あんたのその火傷、大丈夫か?」
「ええ。大したことないんですけど、軟膏を切らしてしまって」
軟膏をもらいに来たと話すと、男はふぅんと頷いて明るくニッと笑った。
「まぁ、シュピーネさんの薬があれば明日にでも治るさ」
「はい。ありがとうございます」
シュピーネさんと皆が呼んでいる人が、まさか国王だなんて思わないだろう。
(いった……)
思い出すと火傷がひりっと疼く。大丈夫とは言ったものの、早いところ手当をしないと痕になってしまうかもしれない。
「怪我人か」
アンナの火傷に気がついた男は機嫌が悪そうにふんと鼻を鳴らした。体調が悪いのにじっと順番を待つことしかできないことに苛立っていたのだろう。しばらくすると冷静になった男がアンナに再び声をかけてきた。
「……すまねぇな、きついこと言っちまって。どうも今夜は身体の調子が悪くてさ、シュピーネさんの救いが欲しいのは、なにも貧乏人だけじゃないもんな。あんたのその火傷、大丈夫か?」
「ええ。大したことないんですけど、軟膏を切らしてしまって」
軟膏をもらいに来たと話すと、男はふぅんと頷いて明るくニッと笑った。
「まぁ、シュピーネさんの薬があれば明日にでも治るさ」
「はい。ありがとうございます」
シュピーネさんと皆が呼んでいる人が、まさか国王だなんて思わないだろう。
(いった……)
思い出すと火傷がひりっと疼く。大丈夫とは言ったものの、早いところ手当をしないと痕になってしまうかもしれない。