クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
ジークのしていた指輪が風来の貴公子と同じ指輪だったのを見たとき、もしかして同一人物なのではなかと疑ったことはあった。しかし、風来の貴公子に限っては、素顔はおろか声すら聞いたことがなかった。だからきっと何かの間違いだと思っていたが、彼の正体がやはりジークだったということに、アンナは驚きを隠せなかった。
困惑してまともに考えることもできないまま、ジークに連れてこられたのはランドルシア城の敷地内にある小さな小屋だった。
「ここは私の製薬室だ」
ジークが手にしているランタンが真っ暗な部屋の中を照らしだす。
丸太を繋ぎ合わせた木造の製薬室は、まるでトルシアンを思わせるような木の香りがした。おずおずと暗がりの中へ入ると中央に置かれた木製のテーブルの上に、製薬するための器具が並んでいて、棚にはラベルの貼られたいくつもの遮光瓶が陳列していた。
困惑してまともに考えることもできないまま、ジークに連れてこられたのはランドルシア城の敷地内にある小さな小屋だった。
「ここは私の製薬室だ」
ジークが手にしているランタンが真っ暗な部屋の中を照らしだす。
丸太を繋ぎ合わせた木造の製薬室は、まるでトルシアンを思わせるような木の香りがした。おずおずと暗がりの中へ入ると中央に置かれた木製のテーブルの上に、製薬するための器具が並んでいて、棚にはラベルの貼られたいくつもの遮光瓶が陳列していた。