クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
ソフィアの足音が遠のくと、ベアトリクスは寝そべりながら瞑っていた目を開き、ニッと笑った。

「ねぇ、ソフィア。私、あなたの愛するジークが憎くてたまらないの。だから私が何をしようと許してね……。その代わり、あなたが憎んでいるあの娘を一番最初に消してあげるから。そうすればジークのもっと苦しむ顔が見られるわ。私、知っているのよ、ジークがあの娘を大事にしているのを……ああ、楽しみだわ」

誰の耳にも届いていない言葉が地下室で囁かれて消える。

乾燥して皮が剥けても、その唇は妖艶さを失ってはいない。ベアトリクスは怪しく唇を弧状に歪ませ、もう一度ふふっとほくそ笑んだ。

握りしめていた手をそっと開くと、チャリッと金属の鍵が覗く。ソフィアの目を盗んで奪ったそれは、邪悪の女王を解き放つ不穏な光をたたえていた――。
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