クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「これ! 僕の好きなマフィンじゃないか。もしかして、ありあえないかもしれないけど……ソフィアが作ったの? 僕のために? 嬉しいな」
包みを開け、ふんわりと香ばしい匂いのするマフィンを見つめてレオンは信じられないといった顔で目を丸くした。
「ねぇ、レオン、ジークのこと……恨んでる?」
母を島流しにしたジークのことを、心のどこかで恨んではいないかと、ソフィアは顔を曇らせた。
「いや、恨んだりしないさ。兄上の判断はいつだって正しい。ムカつくこともあるけど、これでも僕は彼を尊敬してる。母上を捕らえたとき「親らしいことをなにひとつしてやれなかった」と後悔していたよ。本当にそう思っているのかはわからないけどさ」
レオンはそう言ってマフィンをひとかじりすると、にこりと笑った。
「そう、それならよかった。ジークとあなたの間に亀裂が入ったらって少し心配だったのよ。私は……自分のしたことを今でも後悔してる。ジークは私をなにも責めないけど……このまま軍にいてもいいのかどうか、わからない」
ソフィアは幼い頃に実の母親を亡くし、母親代わりに自分を可愛がってくれたベアトリクスを心から信頼していた。そんなベアトリクスにソフィアも心を開いていたが、初めから絆などなかったのだ。
「ソフィア……」
包みを開け、ふんわりと香ばしい匂いのするマフィンを見つめてレオンは信じられないといった顔で目を丸くした。
「ねぇ、レオン、ジークのこと……恨んでる?」
母を島流しにしたジークのことを、心のどこかで恨んではいないかと、ソフィアは顔を曇らせた。
「いや、恨んだりしないさ。兄上の判断はいつだって正しい。ムカつくこともあるけど、これでも僕は彼を尊敬してる。母上を捕らえたとき「親らしいことをなにひとつしてやれなかった」と後悔していたよ。本当にそう思っているのかはわからないけどさ」
レオンはそう言ってマフィンをひとかじりすると、にこりと笑った。
「そう、それならよかった。ジークとあなたの間に亀裂が入ったらって少し心配だったのよ。私は……自分のしたことを今でも後悔してる。ジークは私をなにも責めないけど……このまま軍にいてもいいのかどうか、わからない」
ソフィアは幼い頃に実の母親を亡くし、母親代わりに自分を可愛がってくれたベアトリクスを心から信頼していた。そんなベアトリクスにソフィアも心を開いていたが、初めから絆などなかったのだ。
「ソフィア……」