クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「いらっしゃいま――あっ!」
長い髪を揺らし開かれたドアのほうを見ると、深緑の外套につばの広い帽子を目深に被った風来の貴公子が、アンナの思いが届いたかのように絶妙な頃合いで現れた。
「今夜はシチューなんです。あ、そこに座ってください」
今しがた片づけた席に案内すると、風来の貴公子はコクンと小さく頷いて席に座った。
素顔が見てみたい。声を聞いてみたい。そんなふうに思い始めたのはいつの頃だったか、シチューを入れた器を彼の元へ運ぶと、風来の貴公子は美味しそうにそれを食べ始めた。
長い髪を揺らし開かれたドアのほうを見ると、深緑の外套につばの広い帽子を目深に被った風来の貴公子が、アンナの思いが届いたかのように絶妙な頃合いで現れた。
「今夜はシチューなんです。あ、そこに座ってください」
今しがた片づけた席に案内すると、風来の貴公子はコクンと小さく頷いて席に座った。
素顔が見てみたい。声を聞いてみたい。そんなふうに思い始めたのはいつの頃だったか、シチューを入れた器を彼の元へ運ぶと、風来の貴公子は美味しそうにそれを食べ始めた。