クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
これと同じ指輪を見たことがある。考えずとも記憶がすぐに“風来の貴公子と同じ指輪”だと告げる。アンナの視線に気づいたのか、ジークはさっと手を引っ込めると黒いマントを翻し、くるりと背を向けて城へ戻って行った。
「足は大丈夫かい?」
「え、ええ。大丈夫です」
指輪のことで頭がいっぱいになっていると、マーヤの問いかけに我に返る。
「すまないね、あの人が余計なお使い頼んだばっかりに……後でこっぴどく叱っとかないといけないね。さ、部屋はこっちだよ」
ウィルのことを思い出してか、マーヤがふんふんと鼻息を荒げながら寄宿舎へ向かって歩き出した。アンナはマーヤの後を追って、拭いきれない指輪の残像を再び脳裏に浮かべるのだった。
「足は大丈夫かい?」
「え、ええ。大丈夫です」
指輪のことで頭がいっぱいになっていると、マーヤの問いかけに我に返る。
「すまないね、あの人が余計なお使い頼んだばっかりに……後でこっぴどく叱っとかないといけないね。さ、部屋はこっちだよ」
ウィルのことを思い出してか、マーヤがふんふんと鼻息を荒げながら寄宿舎へ向かって歩き出した。アンナはマーヤの後を追って、拭いきれない指輪の残像を再び脳裏に浮かべるのだった。