桜つづり
第一章
『ずっと一緒にいようね』
そう約束したのはいつだろう。
――――…。
ああ…。
あの日だ。
あの夏祭りの日だ…。
あの眩しいくらい輝いていた
花火があがったときだった。
そう、私がお祭りで
迷子になってしまったときに
壱路が見つけてくれたときだった。
ねぇ、壱路は覚えてますか?
あのときのことを。
私はね、今でも忘れられないよ。
だって、
あのときが私の
初恋の瞬間だったから。