残念な堀井さん。

わざと聞こえる様に大きめのため息を吐くと「嫌です。無理です」とだけ答えてタイピングに集中する。

「何でよ。前は合コンセッティングしてくれたじゃん」

私の集中も無視して、ズイッと近寄ってくる堀井さん。

チラッとだけ顔を覗くと、捨て犬がすがるような目で私を見ていた。

グッと息が詰まるのも耐えて「堀井さん、酔うと酷いから、友達に迷惑かかるから」と理由を伝えるとシュンと目線を伏せる。

「もう迷惑かけないって約束する。
商談も頑張るのでお願いします」

言ってることと表情が全く合っていない。