残念な堀井さん。
「…堀井さん?」

少し待っても反応がなかったから、名前を呼ぶと目を白黒させて頭を犬みたいに首を横に振った。
「何でもない」と靴を脱いでやっと家に入ったけど。

変なの。多分お腹すいてるからだ。



「あー、腹減ってたんだわ。集中してたから忘れてた」

買ってきて貰ったおにぎりとサラダを食べて、コーヒーを飲んでいたら堀井さんが急に言って私は笑った。

「いやいや、お腹すいてるの忘れるって」

堀井さんも「だよなー」と笑ってコーヒーを手に取った。

「そういえば、堀井さんのご両親はなんで泊まりに来るの?旅行?」

疑問に思っていたのだ。
お正月休みに実家に帰ったと聞いていたし、堀井さんの顔を見にとかではないだろうなって。
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