残念な堀井さん。
「それ、再来週の土曜に行かない?俺予約しとくから」

珍しい。私に予約を任せないなんて。

「行きます」と私が答えると「じゃあ楽しみにしといて」と笑顔でつり革に掴まった自分の腕に頭をもたれた。

そんな格好をすると、スタイルの良さが目立つ。
手足が長くて羨ましい限りだ。

堀井さんの近くに座る、私と同じくらいの年頃の女性も頬を染めてスマホを弄る合間に堀井さんを見ていた。

黙ってれば良い男なんですよ。
堀井さんってば。
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