短編集
story.1 これはサバイバルなの
この頃、変な奴が付き纏ってくる。
「せんぱーいっ」
「………。」
「あうっ。無視しないでくださいよう!」
「………。」
「ちょ、せんぱーい!」
「………。」
元々人より多くを喋るほうじゃないし、あまり笑うこともない、愛想も良くない。誰かと一緒にいることが苦手だから、群れるのも好きじゃない。
そんな俺を、周りは遠巻きに観察してくるくらいだってのに。
なんなんだ、このチビは。
「先輩先輩先輩先輩せんぱ、」
「うぜェ」
「え、あ、! せ、先輩が喋ったー!」
「………。」
「ちょ、ねぇ先輩!もう一回!もう一回!ワンモア!」
「あー、うぜェ。」
「きゃあああ!うざいって言われてるのにその溜息混じりの低い声に胸がドキドキするううう」
「変態、ドM」
「ひゃああああ!もー、たまんないッスね!」
「………。」
「え、先輩!ちょっと待ってください!!」
「………しらん。」
「あ、可愛い!今の可愛い!!もう一回お願いします!!」
「………(はあ)。」
「その憂いに満ちた溜息、いただきいいい!」
「………(何コイツ)。」
**これはサバイバルなの
(生き残れるか?俺。)
お題提供thanx!
空想アリア
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