短編集
story.5 これはサバイバルなの lev.2
前にも言ったが。
「せんぱーいっ」
「………。」
この頃、変な奴が付き纏ってくる。
「せーんぱ、あれ、ちょっと、……あああーーーー!」
「………。」
元々人より喋る方じゃないし、愛想も良くないし、群れるのも好きじゃない。
「先輩が…!」
「………。」
そんな俺を、周りは遠巻きに観察してくるくらいだってのに。
「先輩が!カーディガンを!着ていらっしゃる……!」
「………。」
毎度毎度、ホントになんなんだ、このチビは。
「カーディガンを着ていらっしゃるのですね先輩…!」
「見てわかんだろ」
「なぜカーディガンなんて自分の魅力を最大限に引き出す道具を着ていらっしゃるのですか…!」
「衣替えだからだ。」
「きゃあああ!レア!レアですね!素敵!お美しい!神々しい!」
「……みんな着てんだろうが」
「何で先輩がカーディガンを着るとこんなにも色気がムンムンなんでしょう!」
「………。」
「先輩!やばいです!反則です!かっこいいッス!」
「………(はあ)。」
**これはサバイバルなの lev.2
「ところで先輩、」
「あ?」
「最近前より会話のキャッチボールしてくれますね」
「……あ?」
「えへへ!嬉しい!」
「………あっそ。(どうした、俺。)」
お題提供thanx!
空想アリア
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