夜になったら
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私が幼稚園年長さんの頃
お父さんが倒れた。
心臓と脳の病気
幼かった私は、お父さんと死が全く結びついていなかった。
ベッドの上で、植物状態になっているお父さん。
でも、私がベッドに乗ってゲームをすると、少し笑顔を見せてくれることがある。
私の幼稚園の発表会の映像を見せると、感動してるような顔で目を潤ませることもある。
私の思い出の中にいるお父さんは、そんな姿が大半で、
どこからどこまでを元気というのか、生きていさえすれば元気というのかは分からないけれど、
普通にお喋りしたり、散歩をしたり、遊んだり、そういう元気なお父さんは少ししか覚えていないのだ。
だから、その頃の私にとってお話をし合うことが出来ないお父さんが当たり前になりつつあった。
当たり前は無くならない。
そんな風に
当たり前のように思っていたのだろう。
私は、
お父さんは死なない
お父さんとまた一緒にお話ができるようになる
とさえ思っていたのだ。