夜になったら
小学校1年生の時だった
お父さんが死んだ
お父さんが、死ぬ?
もう、会えない?
みまのお話を聞いてもらうことも出来ないの?
もう、手を握れないの?
お父さんのベッドでゲームをすること出来ないの?
もう、笑ってくれないの?
もう、泣いてくれないの?
名前、いっぱい呼んで欲しかったのに
魅舞、魅舞って呼んで欲しかったのに
頭、撫でて欲しかったな
沢山、沢山、溢れ出てくるものは涙だけじゃなくて
あたまがぐるぐる、ぐるぐるして
声にならない声で叫んで、病室を飛び出して
廊下の椅子で泣いて、泣いて、叫んで、泣いた。
看護婦さんが、優しく頭を撫でて言ってくれた。
「魅舞ちゃん、お父さんはね、魅舞ちゃんのそばにずっといるんだよ。目を閉じたらいつだってそばにいてくれるの。声だって聞こえるはず。」
あの頃の私にはまだ、その意味がわからなかったけど、
看護婦さんの、優しい声と、頭を撫でてくれる手に
どれだけ助けられたかはわからない。