夜になったら


「たっだいまー。」


いつもの様に家に帰る

そして、いつものようにお母さんが

「おかえりー。」

と言う。そうそう、こんな具合に。


そして私達は、その後特に言葉を交わさずに

私は自分の部屋のある2階へと足を運…

ぼうとすると、お母さんの何か言う声が聞こえた

あれ?いつもと違う。


「なあにー?」 と声をかけた。

「あんた、お父さんが昔バンドしてたの知ってるでしょ。」

「知ってるけど…。」

「その時の写真とか荷物とかなんかよく分からないけど、色々と物置の奥に仕舞ってたらしいのよ、あの人。それ、さっき思い出してさ。」

「へぇー。そうなんだ。」

「その荷物とか色々と、あんたの好きにしていいから。ただし、大切にしなさいよ。あと、おやつ用意…………もう。」


お母さんの話を遮って行ってしまうくらい、
私の頭の中はもう、荷物のことでいっぱいだった。


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