短編集





お洒落な店内のデザインと、いつ来ても落ち着いた雰囲気に包んでくれるこのお店は幅広い年代に人気だ。

現に目の前のオッサン二人も居座っているしね!ファック・ユー!!



「では、今日のところはこの辺で」

「お忙しいところすみませんでした。宜しくお願いいたします」

「いやいや。君みたいな美人さんと喋れて良かったよ」





いつも思うけどオジサンって一言二言余計だよね?

まあでも、美人って言われて嫌な気はしないけれども!寧ろテンション上がったから許してやるよ!


誰に何を咎められる訳でもない私の心の中は、いつだって自由なのだ。












――――――――――――…




午前11時38分。電車を乗り継いで会社へと戻る途中、はたと思い起こした私はトレンチコートのポケットに忍ばせておいたスマホへと腕を伸ばした。

今日、何曜日だっけ…。ていうかもしかしたら、そんな思いで受信メールの確認をしていたのだけれど。




「(火曜はカレシと……、ああ、嗚呼そう)」





脳裏に浮かぶのは今日もサドっ気全開だったあの女。

私の前だと今にも「オホホホ!」とか高笑いしそうなのに、彼氏の前だと一気にしおらしくなるから笑える。






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