短編集
事の顛末を話し終えた俺を見て、ニヤニヤと相好を崩すひなた。
照れ臭さと気恥ずかしさが綯い交ぜになったような感覚に、思わずぶすっと顔を背けた。
「へ~、ほ~、ふ~ん」
今にも鼻歌を歌い出しそうなひなたである。
そんな彼女に聞いたこと。
それは、待ち受け画面に一緒に写り込んでいるのは実の姉であることだった。
そう言われてみると、似ていなくもない気がする。目や、鼻の造形とか。
それまで好奇心旺盛に眸を細めるひなただったが、瞬間的に真面目な表情になるなり口を開いた。
「協力してもいいよ」
「まじか!」
ガタッと思い切り立ち上がったせいで、瞬間的にクラス全体の視線を集めてしまう。
決まり悪く背中を丸めて席に着いた俺を、「ばかめ」と罵るひなた。
そんな彼女をジトっと恨めしげな視線で見遣る俺。