短編集
「……と言うと?」
かく言う俺もひなたのノリに合わせ、背中を丸めるように近付くと小声でその先を促したり。
「あたし他校に彼氏いるじゃん?」
「おう」
「放課後予めデートの約束しておいて、それで呼び出されたふりして彼のところ行って」
「おう」
「陽斗と姉ちゃんを二人にするわけ」
「へ、!?」
まさかのミッション到来である。
瞠目し目を白黒させる俺なんておかまいなしに、ひなたは尚も計画を口にしていく。
「あたしが姉ちゃんに"ハルコちゃんを駅に送ってあげて"って頼むの。そこで、陽斗は自分のことをカミングアウト、からの告白」
「オ、オォ~…イエ~…」
「アーユーオゥケィ?」
「オ、オゥケイ…」