短編集
「あら、そんな事!全然いいわよ~」
ふふ、と。
その笑顔が心から歓迎してくれている裏付けのように思えて、申し訳ないと思いながらも嬉しさで堪らなくなる。
そんなさくらさんの様子を見てひなたも安堵したように微笑むと、「ゴメンね、あとはよろしくね」と繋がったスマホもそのままに駆け出して行った。
* * *
―――夕日が、水平線に沈み始めている。
伴って橙色の優美な光が界隈を染め、隣で歩を進めるさくらさんの頬も同色に染めてゆく。
「ハルコちゃん」
振り向きざまに軽く微笑んださくらさん。