短編集
ユカリさんのお腹は膨らんでいて、もう少しで産休らしい。
ずっと想い続けていた同じ参加者のお兄さんと、去年入籍したと知らされたときは驚いたものだ。
ユカリさんと、旦那のリョウさんと、タツ兄さん。
三人はうちの町内でも有名な幼馴染トリオで、昔からの腐れ縁なんだとか。
「結局桜子ちゃん一人になっちゃったんじゃない?23歳の子。あれ、まだ居たっけ?」
「たまに参加する子とかだったら、居るにはいるんですけど。基本的にはそうなります…」
ハタチくらいまでは、このユカリさんの豪胆な性格が恐ろしくて中々話すこともできなかった気がする。
お酒の席を一緒に過ごすようになって、今ではまあ、話すことはできるようになったけれど…。
「それで!?桜子ちゃんはロストバージンしたのかな!?」
こんなデリケートに斬り込むような質問を、ユカリさんと私以外が全員男であるこの席で叫んで言わなくてもいいじゃないかと思うのは、私だけなのでしょうか。