拝啓、未来へ
見つめられると吸い込まれそうな優しい瞳。
低くて嫌だ、と嘆いている可愛らしい鼻。
キスをすると驚くほど柔らかくて甘い唇。
カットしたの、と嬉しそうに自慢してきたボブの髪。
並んで歩く時、いつも俺の薬指と小指を掴んでくるこの小さな手。
小さいのに俺をすっぽりと包んでくれる、この華奢な身体。
触れる度、心が震える。
まるで彼女に触れられることを全身で喜んでいるみたいだ。
「――…って、俺は朝から何を!」
ふと現実世界に戻ってきた時、あまりの恥ずかしさに思わず自身の顔を両手で覆った。