拝啓、未来へ



『今日はお祝いやな。プチパーティや』

「えー、プチなの?」

『プチでもありがたく思え、このあほう』



それから恭ちゃんは仕事帰りに一口サイズのケーキを4つ買って来て、本当にプチなお祝いをしてくれた。

だけど最高に嬉しかった。



バイトを始めるにあたって、恭ちゃんと会える時間が減る気がしたから夜遅くまで入らなくていいように店長に相談をした。

お店自体が21時に閉まるらしく、それ以前に女の子だからと気遣ってもらえた。




だけどスタートが本当に大変だった。

メニューを一通り覚えなきゃいけないし、レジ打ちも出来ないといけない。接客のときは相手を気遣いながら笑顔を返す。常に誠実な対応を。


初めての経験に戸惑いながら、ときに失敗をしながら必死にがんばった。


慣れてくるとやりがいを感じて、今では接客をするのがとても楽しい。

理不尽なことを言われることはあっても、人と関わるのが好きなんだって新しい発見もあった。


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