拝啓、未来へ
「はるちゃーん!」
「あ、新田くん。お疲れさま」
そんなバイト先には同じ大学の違う学部で、同じ年の新田くんという男の子がいる。
そこそこ有名な大きな大学。
同じ学部でも知らない人はたくさんいるんだから、違う学部の彼とはここで働くことにならなかったらきっと一生出会わなかっただろう。
「お疲れ!もう帰るの?」
「うん。片付けも終わったし……」
「じゃあ途中まで一緒に帰ろ!」
「え?」
「ほら行くよー!」
「えっ」
ただ、わたしは少し苦手意識がある。
こんな風にちょっと強引だったりするから。
こういうときに上手く立ち回れない自分も悪いんだろうけど。