拝啓、未来へ
どうやら仕事終わりにそのまま来たようでスーツのままだった。ジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンをひとつ、ふたつと外す。
そこからちらちらと見え隠れする鎖骨にどきっとして、誤魔化すように視線を外す。
と、後ろから恭ちゃんに抱きしめられた。
力強く、やさしく。
恭ちゃん自身の香りが鼻を掠めた。
やわらかく、熱く。蕩けそうなくらい幸せになる。
「お風呂、どうぞ?」
「ん。 ありがとお」
「ゆっくり入ってきて」
「わかった。先寝ててええよ」
「うん」
――毎日忙しい恭ちゃんの、せっかくのお休み。
ゆっくり疲れを取ってほしい。
どうせならふたりでお昼まで寝て、「寝すぎた」なんて言って笑って起きて、そのまま部屋着で一日を過ごす、とか。
そういうの、いいな。