拝啓、未来へ
がたごとと電車に揺られ最寄り駅に着いた頃には、もうすでに深夜になっていた。
途中でコンビニに寄るのは忘れずプリンを買って、はるのマンションまで急ぐ。
「着いた、」
はるのマンションの合鍵は、キーケースに馴染んでいる。
この合鍵を使うのは今日で何回目なのだろう。
両手じゃ足りないくらい使っているはずなのに、今でもとても大切なもの。
それをオートロックの鍵穴に入れ玄関を開ける。
ゆっくり開くドアがいじらしくて、早く早くと無駄にうずうずしてしまう。
そんな俺は、はるが思っているほど大人でもなく立派な男でもないのだ。