拝啓、未来へ
「おはよう」
白く明るい光を目裏に感じて、思わず顔をしかめた。
それとほぼ同時に、わたしの枕元に腰かけた恭ちゃんの声が耳に届く。
「お、はよ、」
「朝ご飯、出来てんで」
ゆらゆらと目を開けるとそこには、いつから起きてたの?って言いたくなるくらい、爽やかで可愛くて憎たらしい程の笑顔があって、わたしの寝起きの顔を覗きこんでくる。
――…嗚呼、これ、幸せだなあ。
自分が目覚めた時に自分の好きなひとが傍にいること。
恭ちゃんもそう思ってくれてたら、いいな。
「顔、洗っておいで」
「ん、」
どこか寝ぼけ眼で返事が曖昧なわたしに、くすりとひとつ笑みをこぼして恭ちゃんは静かに寝室を出ていく。
その大きな背中を、まだ覚醒していないぼうっとした脳内に焼き付けてからわたしはベッドから出た。