拝啓、未来へ



「これ、お土産」



そんなことバレたくなくて、誤魔化すためにコンビニで買ったプリンをはるに差し出した。



「わ!プリン!」

「はる、これ好きやろ?」

「うん!大好き!ありがとう!」



小さな身体で目の前に立つはるは本当に嬉しそうだから、俺もすごく嬉しくなる。



「後で美味しくいただきなさい」

「恭ちゃんも一緒に食べようね」

「……俺も?」

「うん!一緒の方が美味しいでしょ?」



そう言ってにこりと笑うはるが、どうしようもなくいとおしくて。

すき、がどんどん溢れ出す。
好きすぎて、堪らなくなる。


ぎゅう、と。
この気持ちが少しでも伝わってほしくて抱き締めたら、はるは優しく甘い響きで俺の名前を呼ぶ。



「恭ちゃん?」



不思議そうに語尾が上がる。

まるで「どうしたの?」とでも言いたげな純粋なそれが嬉しくて。

こんな俺のことを心配してくれるのだろうか。



好きだ。好きで。
もうどうしようもないんだ。


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